Touch of Space

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ルーテシアⅣ 半年 –ZENのすすめ–

ルーテシアの納車から半年が過ぎました。走行距離は4,000kmを超えており、我が家の街乗り車では久々に距離が伸びてるクルマです。というかルーテシアⅡ以来のハイペース。 武骨な乗り味のTTではしんどいナというときだけでなく、積極的に長距離にも乗って行きたくなるクルマです。

いよいよ足回りも慣れてきて、このクルマに対する評価も固まってきましたので、ここでレビューしておきたいと思います。
 

Design

 ルーテシアを選ぶ理由で多くの人が真っ先に答えるのがエクステリアデザインでしょう。Renault CLIOⅣ Phase2 ZEN

 私も最初に発表された頃は、かなり惹かれました。しかし、時がたつにつれて少々飽きたかなと。フェイスリフトが発表された時もあまり気に留めていませんでした。
それが、急遽有力な候補に挙がり、実車を見たりYouTubeで動画を漁っているうちに、「こんなにお洒落だったんだ」と見直しました。
まさかのまさかで我が家の愛車となって日々眺めるわけですが、リアフェンダーの膨らみやサイドの凹んだラインによって、Bセグとは思えないふくよかさと言いますか、余裕を感じるデザインだと思います。特に斜め前から人間の自然な目線で見た時に最も良さが現れます。最近のクルマはプレスラインを多用する傾向にありますが、このルーテシアにはそれが見当たりません。曲面だけで表現していることは逆に新鮮です。

 

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以前はこういった印象を抱くことはありませんでした。Phase2になってメタリック感の強いボディカラーが採用されたこと、フロント・リアのバンパー変更とLEDライト採用(若干の大型化)でワイド感が強調されたことが大きく影響していると思われます。

 

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リアビューについては、以前からの印象通り、Bセグではダントツの美尻ではないかなと思っています。愛車のZENグレードにはプライバシーガラスの設定が無かったため、リアに可視光線透過率7%の濃い目のスモークフィルムを貼りました。これにより、ボディカラーのグリチタニアム、バンパー・ウィンドウのブラックの2色で統一されてシックに引き締まりました。こうなるとマフラーカッターも欲しくなります。

 

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エクステリアデザインに隙があるとすれば、それは真横から見た時。少々間延び感があります。

 

 

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インパネは写真で見るよりもこだわりが感じられて良く見えます。中央の浮いているように見えるピアノブラックのパネル、丸みを帯びた操縦席周辺の造形は国産車やドイツ車には見られない独特の意匠。

 

 

Renault CLIOⅣ Phase2 INTENS Interior

ちなみに、3ヶ月点検の時に展示されていたブラン・ナクレ(メタリックホワイト)のインテンスのインテリアがこれ。

内装色がグリというダークブラウンになります。グリチタニアムのインテンスも同じ。これが個人的に苦手だったのと、納期やスマホの備え付けやすさ、ホイールサイズの関係もあってゼンを選びました。

実物を見たのがこれが初めてでしたが、やっぱり選ばなくて良かったかなと。暗いところではシックな雰囲気かもしれませんが、太陽光が当たると、所詮プラスチックに塗装したものなので、ブラックよりも安っぽく見えます。やるならメルセデスみたいなレザー張りのインパネか木目じゃないと。

海外の画像・動画を漁ってみても、グリのインテリアはほとんど見つからなかったので、人気ないのでは?ましてや、ルージュ(赤)のインパネなんて...。日本には、余った在庫を回されてるのではないかと勘ぐってしまいます^^;

 

Ride -乗り心地-

路面がどういう状況なのかが確実にドライバーに伝わるのに、その不快な振動はカットされている不思議な乗り心地です。

ザラザラ感や突き上げとは無縁。インテンスでは段差で突き上げがあったので、狙い通り16インチホイールが功を奏していると思われます。

TTや前車up!の感覚で、前方に大きめのギャップがあったりすると思わず身構えるのですが、ルーテシアでは何事も無かったかのように通過できます。

carview.yahoo.co.jp

 

この評論家の書いてある通りです。せっかくフランス車のノーマルグレードに乗るなら、小径アルミホイールで決まり!

 

そして、シートは、見た目はインテンスみたいな華やかさがありませんが、ZENのでも十分によくできてます。見た目は薄っぺらそうなのに、座ってみると不思議とサイドのサポート感がしっかりあります。また、腰から頭まで、身体の自然なラインに綺麗に沿うように支えてくれる気持ち良さは秀逸。

ルーテシアに乗り始めてから、TTのシートは「なんじゃこりゃ〜(´△`)」と思うようになりました。身体をシートに押し付けても、どこかしらが浮いちゃうというか。もともとアウディのシートにはあまり良い印象はありません。スポーツタイプはTTのように窮屈な割にホールド感が無く、ラグジュアリータイプはブカブカしててレザーは滑りやすく姿勢が安定しません

 

 

Driving -走り味-

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パワーは十分以上。TTのようにカッ飛びはしませんが、山道でも苦しそうな音もせず確実にグイグイ登っていきます。爆音(不快ではなくスポーティなサウンド)を上げて登っていくup!とは対照的。あれはあれで愉快でしたw

1つ残念なのは出足の重さ。ターボが効き始めるまではかなりの亀さん発進です。そこで、思わずアクセルを踏み込むと、一気に3000rpmを超えて急にスピードが出るので「おっとっとヽ( ̄д ̄;)ノ」となることが多いです。最近はアクセルワークにも慣れましたが。
4気筒ターボとはいえ、この辺りのスムースさはドイツ車、特にデュアルクラッチとの相性についてはVW/Audiに一日の長があるように感じます。

 

6速デュアルクラッチのEDCは、常に適切なギアに入ってくれるし、当たり前ながら変速ショックは無いので、基本的には優秀です。不満があるとすれば、駐車場内や渋滞時の極低速では、一速に固定されがちで、アクセルの加減に敏感でギクシャクする点と、減速から加速に切り替えた瞬間の反応の鈍さ。この2点はup!のASGを思い出します(あそこまで酷くありませんがw)。

なお、平坦加速時のシフトチェンジのタイミングが、普通は2500rpm付近で、ECOモードだと2000rpm付近になります。2500rpm変速だと日本の道路の流れでは中途半端に引っ張ることになり、運転しにくいです。ECOモードでも、特段にパワーが落ちる気がしないし、登り坂などで必要な時には瞬時に一段落としてアシストしてくれるので、むしろこちらを常用しています。

 

ハンドリングは納車ブログで書いた印象と変わらず「ロールが大きい」ということ。

ステアリングの切り始めに対する反応は緩く、キレはありません。しかし、ある程度ステアリング回していくと、あるタイミングでかなりスパッと曲がれるようになります。この時のキレ味はなかなか爽快です。つまり、速く曲がりたい時は躊躇せずハンドルを切れば、しっかりクルマはついてくるということです。

 

 

etc. -細かいダメ出し-

×Aピラーの死角
右カーブを曲がるときに、ちょうどAピラー(結構寝ている)が進行方向の視界に重なって、首を前後させないと見えないという場面に結構頻繁に遭遇します。

×インパネの映り込み
夏場の日差しが強い時、インパネがフロントウィンドウへ激しく映り込みます。上記のAピラーの事もあってストレスです。

×助手席側インパネの余計な収納スペース
日産の入れ知恵なのか、国産車みたいです。こんなところには大した物も入らないし、入れたところで不格好なので無駄でしかありません。

 

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△オートワイパーが馬鹿すぎる
雨粒が多い時に反応しない割に、それほどでもないときに全力でフキフキしているのは滑稽w 一方で、オートライトは周囲の光量変化に敏感に反応し、こまめに切り替わるので優秀です。周囲を走る日産車と見事に同期します(笑)

△ドイツ車では当たり前のコンシールドワイパーではないため、中からワイパーが見えるのは違和感

△真夏のエアコンの効きがイマイチ
ルノーお家芸です、、、はい。

△高速走行中の風切り音
これが普通のレベルだと思います。逆にほとんど風切り音のしないTTやup!(←これは他の遮音がお粗末すぎて聞こえなかっただけかもしれないw)、というかAudiの空力性能の追求が素晴らしいものだと認識しました。

△ウィンカーの戻りが悪い
交差点を曲がった後でもたいてい自分で戻す必要があります。これもルノーお家芸です。

 

 

Summary

 

Renault CLIOⅣ Phase2 ZEN

下位モデルにRRレイアウトを採用する「トゥインゴ」という強烈な個性を持った車が存在する中で、このルーテシアはいたって普通のFF Bセグメントハッチバック。スペックは1.2リッター直4ターボエンジンで、これといった目玉装備もなく、エクステリアデザイン以外は一見つまらなさそうに見えます。
それに加えてルーテシアR.S.というホットなグレードもあるため、ノーマルのルーテシアは日本では影が薄く、カー雑誌やTVでの紹介時にはなぜかスルーされることが多いです。

しかしながら、ドイツ車メーカーと共同開発のトゥインゴでは味わえない、ベーシックなフランス車の乗り味を+20万円で楽しめるのは、なかなか魅力的だと思います。
確かに、以前に乗っていた2代目ルーテシアよりはフランス独特の味や高級感は薄れましたが、先に述べたようにシートの良さは健在で、乗り心地はフランス車の猫足そのもの。これだけでも選ぶ価値があります。
そして、昔のルーテシアと違って、一般的な水準のエンジン・ミッションの性能と、素直な反応でロールしながらも決して破綻を見せないハンドリングによって、誰でも扱いやすい車に仕上がっています。

高いボディ剛性とロングホイールベース、ワイドトレッドによる不安感の無いハンドリングでありながら、中の乗員は静粛性が高くシットした乗り味に癒される。CGTVで松任谷氏がシトロエンC3のことを「走るクリームパン」と例えたのに対抗して、こちらは仏車だけに、「走るフランスパン(外はパリっと、中はフンワリ)」と言えるでしょう。

 

ルーテシアでオススメのグレードを尋ねられれば、断然自分が所有しているZENを推します。ZENとは、日本語の【禅】に由来するフランスにおける外来語であります。

www.webcartop.jp


ZENという言葉の意味に非常に共感を得ますし、何よりもルーテシアではベストチョイスと言える16インチアルミなのがポイントです。
3気筒のターボエンジンを5MTを駆使して高回転まで回して走らせる楽しみを得たい方はZEN MTを、シットリした乗り味に合うデュアルクラッチと4気筒ターボエンジンによる余裕の動力性能を味わいたい方は、奥様も安心のZEN EDCをおすすめします。